准看護師制度の始まりと現状

准看護師が廃止されるという話が1990年代から出ています。准看護師の資格を目指している人は、不安を感じていることでしょう。
ここでは、廃止問題はこれからどうなっていくのか考察してみます。

准看護師資格は、戦後(第二次世界大戦)の看護師不足を解消するために設けられました。すぐに看護師として業務に就いてもらえるよう正看護師よりも簡単に資格が取れるようになっており、中学卒業後から目指せます。

正看護師と准看護師の違いは何かというと、准看護師は医師や看護師の指示がないと業務ができない点です。
ただ、医療の高度化や複雑化が進んでいる現代では看護師にも自律性が求められています。そのため自律的に業務ができない准看護師を無くし、正看護師に一本化すべきではないかと議論されています。

准看護師は戦後、結核が流行したときに看護婦(当時)不足が問題となり、しばらくの間の措置として准看護婦制度ができました。看護婦になるには高卒が必須でしたが、当時は高校進学率が低かったので中卒に引き下げ、2年の課程で資格が得られるようにしました。これにより、急速に看護婦の拡充ができたのです。
この「しばらくの間の措置」としてできた准看護婦制度は、現在も続いています。現代も看護師不足は深刻で、准看護師の存在は現場では重宝されています。
しかし、「看護の質をより高くすべき」「高度医療に対応するべき」といった声が現場から上がっているのも事実で、この制度をどうするか長い間悩みの種となっています。

ただ、准看護師制度が廃止されたとしても、准看護師として働けなくなるということはありません。正看護師にはいつでもステップアップできるので准看護師の資格は決して無駄にはなりません。